国債金利とは?意味と利回りの見方を解説
国債金利とは、国債に投資した場合の収益率を指します。単に受け取る利子の割合ではなく、購入価格、額面金額、満期までの期間なども含めて考える利回りです。
定義
国債金利は、日本銀行の説明では「国債に投資した場合の収益率」であり、利回りとも呼ばれるものです。国債の中でも特に利付国債の場合、投資家は一定の利子を受け取り、満期になると額面金額が償還されます。満期まで保有する場合の国債金利は、利子収入に加えて、購入価格と満期時に償還される額面金額との差も含めた投資収益率として理解されます。途中で売却する場合は、売却価格によって実際の収益率が変わります。
また、日本銀行は長期金利を「資金の貸し借りの期間が1年超の金利」と説明しており、日本ではその代表例として10年物の国債利回りがよく使われます。そのため、経済ニュースで「長期金利が上昇した」と言う場合、新発10年国債などの利回りを指していることが多いとされています。ただし、国債金利には2年、5年、10年、20年、30年、40年など複数の年限があり、年限ごとの金利を並べたものはイールドカーブと呼ばれます。
財務省が示す最終利回りは、次のように計算されます。
つまり、国債金利を見るときは、利率だけでなく債券価格と残存期間も合わせて確認する必要があります。
具体例
額面100万円、表面利率1%、残存期間5年の利付国債を考えます。額面100万円に対して表面利率が1%なので、年間の利子は1万円です。ここでの表面利率、またはクーポンレートは、国債にあらかじめ設定された利子の割合を指します。
まず、この国債を額面どおり100万円で購入した場合を考えます。額面100円当たりの購入価格は100円です。財務省が示す最終利回りの式に当てはめると、次のようになります。
この場合、購入価格と満期時に戻る額面金額が同じなので、最終利回りは表面利率と同じ1.0%になります。
次に、同じ国債を98万円で購入した場合を考えます。額面100円当たりの購入価格は98円です。満期には額面100万円が償還されるため、満期まで保有すれば合計2万円分の償還差益があります。
この場合、年間1万円の利子に加えて、満期までに2万円分の償還差益が得られるため、最終利回りは表面利率1%より高くなります。
反対に、同じ国債を102万円で購入した場合を考えます。額面100円当たりの購入価格は102円です。満期に戻るのは額面100万円なので、満期まで保有すると合計2万円分の償還差損が発生します。
この場合、年間1万円の利子は受け取れますが、満期までに2万円分の償還差損が発生するため、最終利回りは表面利率1%より低くなります。
このように、国債金利、つまり利回りは、表面利率だけでなく、購入価格と満期までの残存期間によって変わります。
国債金利を見るときのポイント
国債金利を見るときの基本は、債券価格との関係です。国債価格が上がると、同じ額面・同じ利子に対する投資収益率は低下するため、国債金利は下がります。反対に、国債価格が下がると、利回りは上がります。経済ニュースで「国債が売られて金利が上昇した」と表現されるのは、この関係によるものです。
国債金利は、金融政策、インフレ率、期待インフレ率、景気見通し、国債の需給、海外金利、リスクプレミアム、つまり投資家が追加で求める上乗せ収益など、複数の要因で動くとされています。日本銀行の金融市場調節方針や長期国債買入れ、財務省の国債発行計画や国債入札結果も、国債市場を見るうえで重要な情報になります。
また、国債金利は企業の借入金利、住宅ローン金利、株式市場、為替市場などにも影響を与えやすい指標です。ただし、実際の貸出金利には信用リスク、手数料、金融機関の方針も反映されるため、国債金利と住宅ローン金利がそのまま同じになるわけではありません。
国債金利と表面利率の違い
まず、「国債金利」と「表面利率」は同じではありません。表面利率は国債の発行時に決まる利子の割合であり、国債金利は購入価格や残存期間を含めた利回りを指します。そのため、表面利率が高い国債ほど必ず投資収益率が高い、とはいえません。
次に、国債価格と国債金利は基本的に逆方向に動きます。価格が上がれば利回りは下がり、価格が下がれば利回りは上がります。この点は、株価と配当利回りの関係に近いものとして考えると理解しやすくなります。
また、国債金利の上昇は、必ずしも国の信用不安や財政破綻の接近だけを意味するわけではありません。インフレ見通しの上昇、金融政策の変更、景気回復への期待、海外金利の上昇などでも金利は動きます。金利上昇が常に悪いこと、金利低下が常に良いこと、と単純に判断しないことが重要です。
国債金利と政策金利の違い
国債金利は、国債に投資した場合の収益率を指します。国債は市場で売買されるため、国債価格や投資家の需給、インフレ見通し、海外金利などによって利回りが変動します。
一方、政策金利は、日本銀行などの中央銀行が金融政策のために誘導する短期金利です。景気や物価の安定を目的に調整され、金融機関の資金調達コストや市場金利に影響します。
つまり、政策金利は中央銀行が金融政策として動かす短期金利であり、国債金利は市場で決まる国債の利回りです。ただし、政策金利の変更や今後の金融政策への見方は、国債金利、とくに短期から中期の国債利回りに影響します。
関連用語
国債金利を理解するには、利回り、表面利率、クーポンレート、額面金額、残存期間、最終利回りといった債券の基本用語が関係します。市場で売買される既発債の価格が変わることで利回りも変わり、新発10年国債の利回りは長期金利の代表的な指標として使われます。
さらに、2年、5年、10年、20年など年限ごとの国債金利を線で結んだイールドカーブは、金融政策や景気見通しを読む手がかりになります。国債入札、政策金利、インフレ率、期待インフレ率、財政赤字、政府債務なども、国債金利の背景を理解するために関連する用語です。