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長期金利とは?10年国債利回り・住宅ローンへの影響をわかりやすく解説

長期金利とは、一般に資金の貸し借りの期間が1年を超える金利を指します。経済ニュースでは、日本の長期金利の代表的な指標として10年物国債利回りが使われることが多く、住宅ローンの固定金利や企業の長期借入金利にも影響しやすい金利です。

タグ: #国債金利 #金利 #長期金利
📖 約6分で読めます 📅 公開日: 2026年05月19日 🔄 更新日: 2026年05月19日

定義

長期金利とは、資金の貸し借りの期間が1年超の金利を指します。日本銀行は「資金の貸し借りの期間が1年超の金利を、長期金利といいます」と説明しています。

ただし、ニュースや市場解説で「長期金利」と言う場合、日本では10年物国債利回りを代表的な指標として扱うことが一般的です。国債とは、国が資金を調達するために発行する債券です。投資家は国債を買うことで国にお金を貸し、国は利子の支払いと満期時の償還を約束します。

債券の利回りは、

\[ 債権の利回り(税引前・単利・%)=\{表面利率+\frac{100円−購入価格}{償還期間}\}×\frac{100}{購入価格} \]

で考えられます。債券価格が下がると利回りは上がりやすく、債券価格が上がると利回りは下がりやすいという関係があります。

具体例

たとえば、国が10年後に返す約束でお金を借りるときの金利が、長期金利の代表例です。10年物国債の利回りが1.0%なら、表面利率や購入価格などを踏まえたうえで、『国に10年間お金を貸す場合、市場では年1.0%程度の利回りが求められている』と考えられます。

長期金利が上がると、住宅ローンの固定金利や企業の長期借入金利が上がりやすくなります。たとえば、3,000万円を35年固定・元利均等返済で借りる場合、金利1.0%では毎月返済額は約8.5万円、1.5%では約9.2万円です。月々の差は約7,000円、35年間の総返済額では約300万円の差になります。

一方で、長期金利の低下は、新たに債券を買う投資家にとっては得られる利回りが低くなる面があります。ただし、既に債券を保有している投資家にとっては、金利低下により債券価格が上がる場合もあります。そのため、金利の上昇や低下は一方向に「良い」「悪い」と決めつけず、家計、企業、政府、投資家のそれぞれに与える影響を分けて見る必要があります。

長期金利を見るときのポイント

長期金利は、短期金利や政策金利だけで決まるものではありません。理論的には、将来の短期金利の見通しに、期間の長さに伴う不確実性を反映したプレミアムが加わって形成されると考えられます。中央銀行の金融政策は大きな影響を持ちますが、将来のインフレ率、景気の見通し、財政への見方、国債の需給、海外金利、投資家のリスクプレミアムなども反映するとされています。

たとえば、景気が回復し、物価上昇率が高まりそうだと見られると、将来の金利上昇を織り込んで長期金利が上がることがあります。一方で、国債の発行量が増える見通しや、海外金利の上昇を受けて上がる場合もあります。したがって、「長期金利が上がったから景気が必ず良い」とは限りません。

実務上は、日本銀行の「金融市場調節方針」や「経済・物価情勢の展望」、財務省の「国債金利情報」や「国債発行計画」、内閣府の「月例経済報告」などを併せて見ると、金利変動の背景を理解しやすくなります。住宅ローンへの影響を見る場合は、住宅金融支援機構の金利情報ページで『フラット35』などの金利を確認できます。

ほかの用語との間違いやすいポイント

短期金利との違い

短期金利は、一般に1年以下の資金の貸し借りに関する金利を指します。中央銀行の政策金利の影響を受けやすい一方、長期金利は将来の物価、景気、金融政策、財政、海外市場への見方などを反映しやすいとされています。短期金利と長期金利の差や並び方は、イールドカーブと呼ばれます。

住宅ローン金利との違い

長期金利は住宅ローン金利そのものではありません。ただし、固定金利型の住宅ローンは長期金利の影響を受けやすいとされています。住宅ローン金利には、金融機関の調達コスト、競争環境、信用リスク、事務コストなども反映されるため、10年物国債利回りと完全に同じ動きをするわけではありません。

銀行預金金利との違い

長期金利は銀行預金の金利そのものではありません。代表的には10年物国債利回りを指すことが多く、金融市場で国債が売買される中で変動します。預金金利は、銀行の資金調達方針、短期金利、競争環境などの影響を受けます。

関連用語

長期金利を理解するには、まず国債、債券価格、利回りの関係を押さえることが重要です。国債価格が下がると利回りは上がりやすく、価格が上がると利回りは下がりやすい関係があります。

また、政策金利や短期金利は中央銀行の金融政策と関係が深く、長期金利との違いを見ることで、イールドカーブの形を理解しやすくなります。日本では過去にイールドカーブ・コントロールという政策も用いられ、長期金利の動きが金融政策の文脈で注目されました。

家計との関係では、固定金利、変動金利、住宅ローン金利が重要です。投資や経済分析では、インフレ率を考慮した実質金利、表示上の金利である名目金利、信用や将来不確実性を反映するリスクプレミアムも関連します。