潜在GDP・需給ギャップ(米国)推移グラフ
潜在GDPは、米国経済が労働力や設備を過不足なく使ったときに、インフレを加速させずに達成できる生産水準です。米議会予算局(CBO)が推計し、FRED(セントルイス連邦準備銀行)が四半期の系列として配信しています(CBOによる2030年代までの将来推計を含みます)。このページでは実質GDPの実績と比較して、需給ギャップ(GDPギャップ)=(実質GDP−潜在GDP)÷潜在GDPを算出しています。プラスは需要が供給能力を上回る景気過熱、マイナスは需要不足を示し、インフレや金融政策の方向を考えるうえで重要な指標です。
📖 この指標の読み方
横軸が四半期、左軸の紺の線が実質GDP、オレンジの線が潜在GDP(十億ドル)を示し、実績のない将来の期間はCBOの推計として破線で表示しています。右軸の棒グラフが需給ギャップ(%)で、緑がプラス(需要超過)、赤がマイナス(需要不足)です。データはFREDから四半期で取得しています。
データテーブル
| 四半期 | 実質GDP(十億ドル) | 潜在GDP(十億ドル) | 需給ギャップ |
|---|
このデータの説明
📊 潜在GDPとは
労働力人口、資本ストック(設備)、生産性のトレンドから推計される「持続可能な最大の生産水準」です。実際のGDPは景気によって潜在GDPを上回ったり下回ったりしますが、長期的には潜在GDPの周りを推移します。潜在GDPの伸び率は「潜在成長率」と呼ばれます。
🔢 算出方法
米議会予算局(CBO)が、財政見通し(Budget and Economic Outlook)の作成にあわせて推計・改定します(主に年初)。潜在GDPは直接観測できない推計値のため、推計手法やGDP統計の改定によって過去の値も見直されます。需給ギャップはこのページで実質GDP(GDPC1)と潜在GDPから算出しています。
📈 経済への影響
2020年のコロナ禍では実質GDPが急減して大幅なマイナスのギャップが生じ、その後の急回復と大規模な財政出動でギャップが縮小・プラス化する中でインフレが加速しました。潜在成長率は人口の伸びと生産性に左右され、移民の動向やAIなどの技術革新が注目されています。
📋 活用例
コアPCE物価指数(米国)や失業率(米国)と合わせて景気の過熱感を判断したり、FF金利(米国)と比較して金融政策の方向性を確認できます。
よくある質問
潜在GDP・需給ギャップとは何ですか?
潜在GDPは、労働力や設備などの生産要素を過不足なく使ったときに、インフレを加速させずに達成できる生産水準です。米議会予算局(CBO)が推計し、FRED(セントルイス連邦準備銀行)が配信しています。需給ギャップは実質GDPと潜在GDPの乖離率で、景気の過熱・停滞の度合いを示します。
米国の潜在GDP・需給ギャップの直近の値は?
2026Q2の米国の需給ギャップ(実質GDPと潜在GDPの乖離率)は+0.8%で、需要超過(プラスのギャップ)の状態です。潜在GDPの前年同期比(潜在成長率)は+2.2%です。詳しい推移はページ上部のグラフ・データテーブルで確認できます。
需給ギャップがプラス(マイナス)だと何が起きますか?
需給ギャップがプラスのときは、需要が経済の供給能力を上回っているため、人手不足や設備の逼迫を通じて物価や賃金が上がりやすくなります。マイナスのときは需要が不足し、失業の増加や物価上昇の鈍化につながります。FRBは需給ギャップを金融政策の判断材料の一つとしており、プラスが大きいと利上げ、マイナスが大きいと利下げの方向に働きやすくなります。